家族の家ひまわり

H先生(91歳)

何も心配のないここでの生活は極楽。
本好きの仲間と楽しく暮らしていますよ。

ーこちらにご入居されたきっかけをお聞かせいただけますか?
夫が亡くなってから5年ほど一人暮らしをしていましたが、娘が近所に住んでいて、しょっちゅう訪ねてくれてはいたのですが、私が心臓に持病があるので、夜中などは心細い思いをしていたんですよ。そんなとき、郵便受けに『ひまわり一橋学園』の入居者募集のチラシが入っていたんです。自宅に近いので、娘と姪の3人で見学に来て、入居を決めました。ご縁があったのかもしれませんね(笑)。この施設は新しいのできれいですし、私の部屋は2階の東向き。見晴らしはいいし、陽がよく入るんですよ。

ーご自宅に近いのはいいですね。
はい。ここの施設の目の前にバス停がありますし、バスで駅まで行くと娘が迎えに来てくれるんで。一ヶ月に1回は行って、窓を開けたり掃除や選択をしたりしていますよ。足の運動にもなりますし、気晴らしにもなりますね。自宅に帰ると、近所の友達が押し寄せてきて忙しいんですよ(笑)。ここは近いですから、娘も孫たちを連れて、よく訪ねてくれます。

ーこちらでの生活はいかがですか?
ここでの生活は極楽ですよ(笑)。一人暮らしのときと違って何も心配がないんですから。掃除も洗濯も料理もすべてお任せですしね。毎日、血圧などの検査がありますし、2週間ごとに医師の診察もあります。食事も美味しいですし、入居者の皆さんと風船バレーやお魚釣りのゲームをするのも楽しいですよ。ゲームは一人ではできないものですものね。毎日が気楽で、ホントに楽しく暮らしています。こんなによくしていただいて、ありがたいと思っていますよ。

ーお部屋では、どんなふうに過ごしておられますか?
文藝春秋や週刊誌などの雑誌や小説を読んで過ごすことが多いですね。私は推理小説が好きなのですが、同じ趣味の方がお二人いらっしゃるので、よく回し読みをしています。お部屋を往き来して本の貸し借りをしたり、近くに図書館があるので誘い合って出かけたり。食事の時に同じテーブルになって仲良くなったのですが、話も合うんですよ。翌日、食堂で会うのが楽しみなくらい仲良しです(笑)。

ー趣味の合うお友達ができて良かったですね。雑誌をあれこれお読みになっているのは世の中の動きに対する関心からですか?
はい、特に中国に対して興味があるんです。上海で生まれて敗戦で日本に引き揚げるまで、22年間暮らしていましたから。当時の上海は、それは活気にあふれた国際都市でした。欧米のデパートでおしゃれな洋服を買ったり、各国の友達ともよく遊んだものです。私にとって、上海での暮らしは、一生の財産ですよ。戦争は絶対にしてはいけません。女学校のとき、どの国の人とも仲良くしましょうと教わりましたが、その通りですね。上海から引き揚げたとき、日本は狭いなと思いました。

ー今後どんな暮らしをしたいですか?
皆さんと仲良く暮らしていけたら言うことはありません。楽させていただいて長生きし、親しまれるおばあさんになりたいですね。

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