日本と韓国の最も大きな文化の違いは、<韓国が儒教の国>だということだろう。韓国人は「目上を尊び、礼を重んじることが人生の大義」と教え込まれてきた。家庭でも学校でも、そして社会がこの「大義」を教えてきた。
したがって、韓国ビジネスの基本は、この儒教精神を理解することからスタートしなければならない。韓国では目上の人、そして年長者にはすべて敬語を使う。会社の上司のことを話すときもすべて敬語である。
「もしもし、李社長はご在社でしょうか?」
と電話してみると、電話口に出る社員からは皆一様に敬語の答えが返ってくる。
「もしもし、今、李社長様はお出かけになっており、お留守でございます」
という具合である。
日本であれば、身内の場合はへりくだって卑下した表現を使うことを美徳としているのとは正反対である。
さて、目上の人そして、高齢者に対する尊敬の表現は、言葉遣いだけでなく、その行動にも表れている。いくつかの例を紹介しておこう。