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第6話 『一緒に食べて飲めばビジネスOK』(韓国編)

 つい最近までは韓国では、「食事をしましたか?」
というのが日常的なあいさつだった。長い苦汁の時代の名残である。

 さて、韓国ビジネスをすすめるうえで最も大事なのは、<上手に食事に誘うこと>そして<上手に食事に誘われること>、すなわち食事を一緒にすることである。食事をすることによって、信頼が共有でき、ビジネスがスムーズに動き出す。食事の時間がなければ、とりあえずは高級ホテルでコーヒーを飲むだけでもよいのだが、まず飲食を伴わないビジネスなど成り立たないのが韓国の特徴である。

 最近の韓国はアメリカ帰りが多く国際化が進んでいる。そのため、以前ほどではなくなってきているものの、それでも韓国ビジネスと食事を切り離して論じるわけにはいかない。食事を一緒にすることと同様「どこで食事をしたのか」、その場所の選定もまた難しい問題である。

 どのレベルの食事を供応されたのか、ということは自分をどのくらい評価してくれているのか、その判断材料になるだけにまた難しい問題である。

 韓国人は概して善意の人が多く、供応好きである。したがって、「お茶にしようや!」と誘われることも多い。しかし、誘われるからといって、毎回ごちそうになっていることは、相互の信頼関係を損なうことになる。

 また、見栄や虚栄の強い国民性をよく見極めることも忘れるわけにはいかない。外国からの遠来の客を懐具合が悪くても精いっぱいもてなしてくれるので、甘えだけを優先させるわけにはいかない。韓国に詳しいある外国人は、「韓国人はFull of Vanityですね」と指摘する。だから食事で虚栄を張るのである。

虚栄を張ることで最も代表的なのは、社長室の豪華さであろう。日本人の感覚からすると、部屋の大きさも社長の机の大きさ、そしてじゅうたんの厚さも驚きである。企業の業績以上の豪華さであることに間違いはない。

 これまで概観した通り、韓国には韓国だけの文化が存在している。それゆえ、韓国ビジネスは、まず韓国の歴史や韓国人の気質、国民性をよく理解すること、そして日本と異なる価値観の存在することを知ることが大事である。
この鉄則を守れば、韓国ビジネスは成功間違いなしである。

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